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[TOPICS]健康保険法改正による具体的変更点

 医療制度改革のかけ声のもと、第164回国会で成立した「健康保険法等の一部を改正する法律」の一部が10月1日より施行された。改正の具体的内容について、今後の施行分も含めてまとめてみる。

●平成18年10月より

1.現金給付の見直し

(1)出産育児一時金と家族出産育児一時金の金額の引上げ
  改定前:1子につき300,000円 
  10月1日以降の出産:1子につき350,000円

(2)出産育児一時金と家族出産育児一時金の受取り代理
  法改正にあわせて、社会保険庁の取扱いとして、被保険者または扶養家族が出産した産院などの医療機関が、被保険者に代わって出産育児一時金を受領して、出産の費用を回収することが可能に。(ただし健康保険組合の取扱いは組合ごとに異なる。)

(3)埋葬料(被保険者本人が死亡したときに遺族に支払われる)の引下げ
  改定前:本人の標準報酬月額の1カ月分(最低保障100,000円)
  10月1日以降の死亡:一律50,000円

(4)埋葬費(遺族のいない被保険者が死亡したときに実際に埋葬をおこなった人に支払われる)の引下げ
  改定前:埋葬に要した実費(埋葬料の額が上限)
  10月1日以降の死亡:埋葬に要した実費(50,000円が上限)

(5)家族埋葬料(被扶養者が死亡したときに支払われる)の引下げ
  改定前:一律100,000円
  10月1日以降の死亡:一律50,000円

2.いわゆる混合診療の一部解禁
  従来は、「保険診療」と「保険外診療」を同時に受けると、全ての診療が健康保険の対象とはならず、全額患者の自己負担となっていた。18年10月からは、一定の保険外診療と保険診療を同時に受けても、保険診療部分を「保険外併用療養費」として受けることが可能になった。

3.高額療養費の自己負担額の変更
  高額療養費は、医療費の自己負担額が一定の限度額を超えたとき、その超えた額が戻ってくる仕組みだが、18年10月からは、その限度額が引き上げられる。
  1人1カ月の算定基礎額は以下のように引き上げられる。(自己負担限度額の算式はやや複雑なので、改正による定額部分の変更箇所のみ以下にリストアップする。)

(1)70歳未満の場合
  ・一般所得者 定額部分:72,300円 → 80,100円
         多数該当の場合:40,200円 → 44,400円
  ・上位所得者 定額部分:139,800円 → 150,000円
         多数該当の場合:77,700円 → 83,400円
   (上位所得者の基準も改定され、標準報酬月額530,000円以上の者となる。)
  ・低所得者については据置き

(2)70歳以上の場合
  ・一般所得者 入院・世帯合算:40,200円 → 44,400円
  ・現役並み所得者 定額部分:72,300円 → 80,100円
           多数該当・外来:40,200円 → 44,400円
  ・低所得者については据置き

(3)人工透析患者
  70歳未満の上位所得者 算定基準額:10,000円 → 20,000円

4.70歳以上の高齢者の一部負担割合の見直し
  現役並みの所得者(月収280,000円以上または課税所得が年1,450,000円以上の者)の患者自己負担割合が20%から30%へ引き上げられる。ただし、平成18年の公的年金等控除の縮減と老年者控除の廃止により、現役並み所得者が大幅に増加する見込みのため、新たに現役並み所得者となった者は、2年間一般と同じ10%自己負担に据え置かれる。

5.療養病床入院高齢者の食費・居住費負担
  70歳以上の療養病床への長期入院者は、光熱・水費や食費に相当する自己負担が求められる。
  食費:42,000円/月  居住費(光熱水費):10,000円/月

6.地域型健康保険組合の設立認可
  同一都道府県単位で企業、業種を超えた地域型健康保険組合の設立を認める。

●平成19年4月より

 企業と被保険者に対するインパクトが予想される改定が来春行われる。

1.標準報酬月額の上限、下限の改定
  下限:98,000円 → 58,000円
  上限:980,000円 → 1,210,000円

2.標準賞与額の上限の改定
  賞与支給毎に2,000,000円 → 年間支給額合計が5,400,000円

3.任意継続被保険者に対する傷病手当金と出産手当金の廃止

4.傷病手当金と出産手当金の給付日額の変更
  標準報酬日額の60% → 標準報酬日額の3分の2相当額

5.資格喪失後6カ月以内の出産に対する出産手当金を廃止

●平成20年以降

・後期高齢医療制度が創設される。
・政府管掌健康保険の保険者が国から「全国健康保険協会」へ。都道府県単位での運営へ。
・社会保険庁の廃止については、継続審議となっている。
・その他、健保組合の保険料率上限変更、小学校入学前の患者負担額の軽減など。

(2006/10/23)

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