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会社法案が閣議決定 商法改正の総仕上げへ(前編)
商法や有限会社などを含む会社制度に関する法律を一本化する「会社法」が取り沙汰されていたが、3月18日に閣議決定され、いよいよ本格的に動き出すことになった。元々、3月15日には閣議決定される予定だったが、IT企業による企業買収などをきっかけに、企業の組織再編を円滑に進めるための有効策としての合併対価の柔軟化が問題視され、閣議決定が若干ずれ込む結果となった。
この会社法、有限会社の廃止から前述のようにIT企業による企業買収などにより話題になった企業買収とその防衛策まで、零細・中小・大企業まで幅広く影響を与える内容となっている。
同法案は、これまで文語体だった商法の一部を切り離し、口語体にした上で有限会社法などの関連法を会社法案として統合、内容を一新するものだ。コーポレート・ガバナンスの改革を含む「日本企業の競争力強化」にどこまでつながるだろうか。
会社法の構成
会社法は次のような構成となっている。
(1) 総則
(2) 株式会社
(3) 持ち分会社
(4) 社債
(5) 組織変更、合併、会社分割及び株式交換等
(6) 外国会社
(7) 雑則
(8) 罰則
(9) 付則
総則において、「会社は商号中に株式会社、合名会社、合資会社、合同会社という文字を用いなければならない」と記載されており、有限会社がなくなっていることがわかる。また、今回新たに創設される合同会社(いわゆる日本版LLC)についてもふれられている。
有限会社の行方 有限会社は70年近い歴史を持ち、株式会社と比較すると取締役についての制限や資本金にかかる規制が緩かったこともあり、全法人の半数以上が有限会社である。今回の会社法案では有限会社制度が廃止されることになるが、これまで有限会社であった法人はそのまま有限会社としての名称の使用は可能となる。
会社法施行後は、「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」により、従来の有限会社法に規定される有限会社は、会社法の規定による株式会社として存続することになる。有限会社の「定款、社員、持分、出資一口」は、株式会社の「定款、株主、株式、株式一株」とみなされることになるわけだ。
法改正を受けて、株式会社に組織変更する有限会社が続出しそうだという見込みもあり、登記などにかかる業界では「特需」になるのではないかと言われている。反面、大多数の有限会社が消えてしまうのであれば、有限会社であること自体に「希少価値」が出るのではないかと考える向きもあるようだ。
株式会社においても最低資本金規制が撤廃されたり、取締役の人数規制や取締役会の設置義務が原則廃止されるため、有限会社がそのまま株式会社になることも不可能ではない。原則、誰でも1円の資本金で株式会社が設立される時代になるわけで、今後は組織の名称ではなくて、その経営内容がますますシビアに問われる時代になることは間違いないだろう。
新規に創設される合同会社とは
本欄でも以前取り上げたように(2003年11月28日付け)、合同会社(いわゆる日本版LLC)の創設が可能となる。既報のように、この組織は
(1) 出資者の責任を有限(出資の範囲内)とする
(2) 出資者の話合いにより役員の権限や利益の分配などの内部ルールを決定するとし、定款に定めることができる
などが大きな特徴となる。合同会社は、人材集約型企業の起業や振興をはかることが可能になると言われており、景気振興に役立つのではないかと期待されている。とはいえ、日本版LLCへの課税についてはいまだ明確になっていない。パススルー課税の実現が求められているが、税務面については今後の議論を待つことになる。
企業を運営するに当たって、間接金融を完全に避けて通ることはまずできないだろう。今回、最低資本金の下限額が撤廃されたことやLLCの創設は、起業を容易にする面があるものの、融資に当たっての信用性の面では不利益に働くこともあり得る。金融機関からは「資本金の多寡も融資に当たっての判断材料の1つ」という声もあり、企業運営を継続するための資金調達にも当然慎重な手当をする必要があるだろう。
(2005/3/30)
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