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酒税の仕組みは変わるか 民間企業の工夫に法改正が水を差す 

 高すぎるビールの酒税の間隙をぬって開発された発泡酒。ビールメーカー各社の発想の豊かさと開発力の高さに感嘆したのもつかの間、行政側はその発泡酒を狙い撃ちにする税制改正を行い、メーカーの工夫に水を差したことは記憶に新しいだろう。その後、メーカー側も負けずに「第三のビール」と呼ばれるビールでも発泡酒でもない飲料を開発し、人気を集めている。2005年度税制改正ではこの「第三のビール」を狙い撃ちにした改正が行われるのではないかと噂されていた。
 政府税調が2005年度税制改正について、この「第三のビール」を狙い撃ちにしたような改正は行わず、酒税の仕組み自体を変える抜本的な改正を行うよう求めたことにより、本改正大綱においては改正が行われなかった。しかし、2006年度税制改正においては大きく変更される方針のようだ。

 
酒税とは

  酒税は酒類にかかる国税であり、法律的には酒税法や租税特別措置法などによって規定されている。酒税法上、酒とは「アルコール分1度以上の飲料」とされている。ちなみに、「アルコール分が45度を超えるもの」は酒ではなく、アルコールとされる。泡盛の「どなん」など60度もあるような「酒」は酒税法上、「酒」ではなく「原料用アルコール」と表示されている。
 
 
突出して高いビールの税負担

 そもそも、発泡酒が開発された段階からすでに言われていたように、日本においてはビールにかかる税金が高すぎるという事情がある。ビールに対する35.6%という酒税水準は、不況による賃金減やリストラ、社会保険料上げ、医療費負担増などあらゆる困難と闘っている庶民にとっては厳しい水準であることは間違いない。おまけにさらに消費税までかかる。ビール大瓶の希望小売価格(廃止前)にしめる税負担は実に46.5%にも達する。
 ちなみに、主要先進国においても日本のビールの税負担は突出して高い水準にある。主要先進国におけるアルコール分1度当たりの酒税額指数で比較してみると、イギリスの7倍、フランスの24.8倍、ドイツの32倍にも達する。欧米においては、ビールやワインなどの醸造酒に対しては税率がおおむね低く設定されているという事情を差し引いてもあまりに高すぎると言えるだろう。
 なお、第三のビールの酒税率は19.4%。税率の差がそのまま価格に反映されているわけだ。

 今後の酒税法改正方針

   4月にはビールメーカー4社すべてが酒税率の低い第三のビールを販売することが予定されている。このため、2006年度税制改正においてはまず間違いなく酒税法の改正が行われることになるだろう。
 現段階で予想されているのは、現在のように原材料や製造方法での分類とするのではなく、原材料になにを使用していてもビールや発泡酒、第三のビールはすべて同じ分類とし、単純にアルコール度数に準じて税金をかける方法などがとられることだ。これであれば、現在のビールは減税となるが、メーカーの開発力のたまものである発泡酒、第三のビールは増税となる可能性が高い。また、同様に醸造酒、蒸留酒を問わずアルコール度数換算が徹底されるのであれば、ワインや日本酒も増税となる公算だ。
 そもそも、酒税法上の「構造的欠陥」とでも言うべき部分をメーカーの自由な発想がついた形の発泡酒や第三のビール。行政が民間の自由な発想や開発力をそぐことのないような公平な税制を検討してもらいたい。

  

(2005/2/15)

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